ビジネスの世界でも、私生活の中にも溶け込んでいるのがfaxです。固定電話を設置するときに、この機能が搭載された機器を購入するケースも多いのが現状です。電話回線であるのに紙媒体のものを送信できるのがとても便利で、インターネットの環境がある現在でも盛んに利用されている状態ですが、送り方一つで相手の印象が変わってきますので、恥をかかないようにマナーを身につけておくことが大事です。
失礼のないFAXの送り方
とても基本的なマナーとして、番号を絶対に間違えないようにしてください。存在しない番号であれば送信エラー程度で済むため、単純に番号を間違えただけの失敗で終わります。ところが、番号を間違えて他の会社や住宅に送信してしまうのが危険です。とても重要な内容で、他の人に見られては困る内容を送信することもあるからです。送信先の電話番号や住所等はもちろんのこと、相手のものでなくても大切な個人情報などが記載されている書類を送る際に間違って送信すると情報漏えいによってトラブルが発生するリスクが増します。恥をかくレベルにとどまらないほど深刻な事態になってしまいますので、確実に相手に届くよう、番号入力には慎重になってください。重要な内容でなくても、他の番号に送信するとその相手に迷惑をかけてしまいますので要注意です。
送信する書類には表書きを付けておきます。表書きとは受信者の情報と、送信者の情報の両方を記載することです。手紙を送る際の宛名と宛先のようなもの、契約書などの各種書類を取り交わす時にも一般的に記入されているマナーです。受信者の会社名や個人名、部署名などを正確に記載します。送信枚数や日付も忘れずに記載してください。送信者も会社名や個人名、部署名に電話番号やfax番号を記載しておきます。毎回同じ内容を記述するのが面倒であれば、雛形を作っておくと便利です。パソコンで雛形を作成しておけば、それに合わせて情報を付け加えて行くだけですので、作業の短縮につながります。ビジネスの世界ではパソコン文字でも失礼にはあたりません。プライベートの目的で送る場合には、その時の状況に合わせてパソコン文字と手書きを使い分けるのがおすすめです。
表書きに送信枚数を記述するのがマナーであるとアドバイスしましたが、複数の枚数を送るときには各ページに番号を振っておくと相手に配慮のある送信ができます。今送られてきたのが何ページ目なのか把握しやすいように、総ページ数と現在のページ数を併記しておくとわかりやすいといえます。
内容によっては大量にfaxを送信する場合があるでしょうが、この場合には事前に連絡をしておくのが良いです。送られた資料のデータは電話回線によって相手に伝わり、相手の機器の機能を使って紙に印刷されます。紙やトナーには限界がありますから、たくさんのページをいきなり送信すると、受信者の機器の状態によっては紙を途中で切らしてしまうなど、一度に受け入れられない事態になることを想定しておきます。今の機器であればメモリが搭載されており、用紙切れになるパターンでもメモリにデータを蓄積できるため、送信途中でエラーになるリスクが少なめですが、古い機種を使っている相手だと送信途中で用紙切れを起こす場合があるため、注意が必要です。
faxで大量送信は歓迎されないのが一般的です。受信した相手の機器で紙やトナーを消費することから、余計なコストを発生させる迷惑がかかってしまうからです。常識の範囲内で送るように工夫してください。難しいなら、他の手段で資料を送るのがマナーです。郵送でも構いませんし、オンラインでデータを送信する方法などがあります。また、無駄に挨拶が長い文章も紙の枚数を増やす原因ですから、必要最低限にまとめるようにします。
送信が終了したら、確認の連絡をするのがおすすめです。機器にお知らせ機能が搭載されているものならあまり問題ありませんが、場合によっては印刷が鮮明ではなかったり、内容が間違っていたりする場合がありますので、送信後に相手に対して連絡するのが無難です。急ぎでなければメールで送信終了の連絡をするだけでも十分です。
細かな文字の資料を送信する際には、相手にわかりやすいように拡大して送信したいところです。あまり鮮明に印刷できる機器ではありませんから、小さな文字や数字が潰れてしまう危険が高めです。機器自体に拡大する機能が搭載されているなら、それを使います。搭載していなければ、資料を拡大コピーするなどしてから、送信するのがマナーです。
番号を間違えて送ってしまうリスクとも深く関係しますが、あまりにも重要な資料はfaxで送らないのが無難です。送信先で誰がその資料を見ているかわからないからです。番号が間違っていなくても、受け取った人物によってはトラブルになる危険が潜んでいますので、基本的に誰に見られても構わないような内容の資料を送るようにしたいところです。